マイペース☆テニス

水が引いたのは
日付の変わった頃でした

「見たくない」 という気持ちもありましたが

恐る恐る1階に下りてみました

床は一面 泥が上がり ヌルヌルしていて,台所から流れてきたのか茶碗が散乱していました

まるで忍者がまきびしを蒔いたよう…

廊下を通って 居間に入ると,棚がテレビに倒れかかり 椅子や机が1箇所に積み重なっていたり…
樹海や密林を進む探検隊のようにして 玄関に向かって行きました

やっと玄関にたどり着き 辺りを見回し 愕然

街灯の明かりで見た我が家は 空襲にでもあったかのようでした

ドアや窓は壊れ 家具や家電製品は あちこちに散らばっていました

冷蔵庫は台所から出て 隣の部屋へ

ソファーは玄関を出て 垣根に引っかかっていたりと

ほんの数時間前の様子はどこにもありません

真っ暗闇のなか 途方に暮れ しばらくその場に立っていました


しかし

悔やんでもしかたありません

火なら消すことが出来ますが 水は止めることができません

運命とあきらめました。

夜が明け 朝が来たら
町中の被害が見えてくる
我が家も片付けなどの作業で大変だろう

少しでも寝て 体力を温存しておかなくては…


と 思い布団にはいりました